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神の子池の魅力と楽しみ方を地元ガイドが徹底レポート

神の子池の魅力と楽しみ方を地元ガイドが徹底レポート

2022.01.05
投稿者:スタッフ

世界自然遺産・知床の斜里町に隣接する清里町。ここには、道東きっての名所のひとつ「神の子池」があります。知床アルパでは、冬季にスノーシューで巡るプランを行っていますが、神秘的なその景観をひと目見ようと夏も本当にたくさんの旅行者で賑わいます。このインパクトのある名前を耳にした方は、どうしてその名前なのか、どんな魅力があるのかなど気になることも多いでしょう。

ここでは神の子池の基本情報や魅力、アクセス、訪れる際に気をつけてほしいことをガイドならではの目線でご紹介します。ご自身で夏に訪れる際は、理解を深めてから出発されることをおすすめします!

神の子池とは

神の子池のズーム
神の子池があるのは、清里町の南部。阿寒摩周国立公園内に位置し、摩周湖の近くの森にひっそりとあります。アイヌ語で「神の湖(カムイント / カムイトー)」が名前と由来と言われており、これまで摩周湖の地下水が流れ着いたものと考えられていましたが、近年の調査では水源はどちらも摩周湖外輪山という説もあります。

神の子池の伏流水は1日12000トンで、池の周囲は220m、水深5mという大きさ。水が透き通っているので、5mという深さでありながら底まで見えるというのが特徴です。

神の子池へのアクセス

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神の子池へのアクセスは、車を利用するのが一般的です。道内・道外から飛行機で訪れる場合は、女満別空港にアクセスしてからレンタカーで約1時間30分ほどで神の子池に到着できます。

札幌など道内の都市を経由する場合は、JRが便利。JRで網走まで向かい、網走駅からはレンタカーを借りて約1時間30分。森の奥にある、言わば秘境の地なので、どうしても車がないと訪れるのは難しいです。

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ちなみに女満別空港や網走駅からの道のりは、カーナビで「JR緑駅」とセットするとスムーズです。摩周湖方面に進んでいくと青看板が現れるので、その看板を右折。未舗装路を2kmほど走らせると、駐車場に到着します。

駐車場から神の子池までの道中は木道が整備されているので、比較的歩きやすいです。道なりに進んでいけば、美しい色に輝く神の子池が見えてきます。

神の子池の魅力

神の子池には、主に3つの魅力があります。

  • コバルトブルーの幻想的な景観
  • オショロコマが泳ぐ姿を見られる
  • 植物が生い茂る豊かな自然

一つひとつ解説しますので、どんな見どころがあるのかイメージを膨らませていきましょう。

コバルトブルーの幻想的な景観

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神の子池は水面がコバルトブルーに輝き、幻想的な景観を映し出しています。伏流水は透き通った水なのですが、池の底にある白い砂によって空の色が強調されることで水面が青く見えるというわけです。

池の中に沈む倒木は、決して腐ることはありません。池の水温は一年を通して8℃に保たれるのがその理由。いつまでも同じ姿で倒れる木の姿は、神秘的で命の不思議さを感じさせてくれるでしょう。

池の周りを囲むように木道が整備されているので、さまざまな角度から、その神秘さを楽しむことができます。見る角度によって、濃淡が違って見えるのもまた不思議です。

オショロコマが泳ぐ姿を見られる

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神の子池をじっと見ていると、視界の隅に何かが動く姿を捉えられるでしょう。その正体は「オショロコマ」という魚で、寒冷地に生息するイワナの仲間です。身体の赤い斑点が特徴で、倒木の間を縫って元気に泳いでいます。美しい池で暮らすオショロコマにも目をやってみてください!

植物が生い茂る豊かな自然

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神の子池の周辺には、トドマツやシラカバなどの大木がたくさんあります。

池の姿をもとめて下ばかり向いてしまいがちですが、目線を上げて豊かな自然も同時に楽しみましょう。深緑が心をリラックスさせてくれますよ。

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訪れるときに気を付けたいこと

神の子池を訪れる際には、いくつか気を付けてほしいポイントがあります。神秘的な景観や自然環境を守ることはもちろん、自分自身の安全を確保することも大切です。ここでは、注意点を3つご説明します。

神の子池まで未舗装路の運転は慎重に

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看板から神の子池の駐車場までの林道は、道幅が狭くなっています。人気のスポットなので、池方向から帰ってくる対向車も多いです。場所によってはすれ違うことができないので、停車帯の標識をしっかり確認し、対向車に道を譲りましょう。

マナーを守って楽しむ

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神の子池が美しい景観を維持できるのは、旅行者や観光客の皆さんがマナーを守って楽しんでくれているからです。道端にゴミを捨てたり、近辺で喫煙をしたり、写真を撮ろうとギリギリまで近づいて池の中にスマホを落としたり、はたまた小銭を投げ込んだりなんてすると環境が変化してしまいます。

青く幻想的な姿は、大切な自然環境の基に成り立っています。

いつまでも素敵な神の子池を見られるように、マナーを守って見学しましょう。

道中は熊や虫に注意

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神の子池は森の中にあるので、周囲には熊や虫が生息しています。「熊出没注意」の看板があり、しっかりとした対策が必要です。人が多くいると姿を見せる可能性が低くなりますが、念のため熊鈴を持参するのもよいでしょう。食べ物の臭いにつられることもあるので、車に置くか、すでに食べ終わった空容器などは事前に処分されることをおすすめします。

また、訪れる際には北見方面斜里警察署のクマ出没情報などを事前に確認しておきましょう。

そして、水辺と緑がある場所には虫が集まるので虫除けも準備を。肌が露出していると虫除けスプレーなどをしていても刺される可能性があります。服装は、長袖・長ズボンがベストです。蚊やブヨなどの吸血昆虫以外にも、アブやハチなどが出ることも多々あります。黒い服に集まりやすいので、明るめの服を着てくるのも良いでしょう。

神の子池と一緒に訪れたいおすすめスポット

神の子池のある清里町周辺には、他にも見どころが多くあります。ここでは、一緒に訪れたいスポットを紹介しますので、ぜひ旅の計画に役立ててください。

さくらの滝

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さくらの滝は、神の子池から約30分ほど離れたところにあります。斜里川上流の高さ3.7mから水が流れ落ちる滝です。6月~8月には、滝を越えようとジャンプするサクラマスを見られます。春の桜や秋紅葉も、さくらの滝の見どころです。

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ちなみに、さくらの滝への入り口は見落としがちです。カーナビを頼りに向かうことができますが、近づいてきたらスピードを落として、この小さな木造りの看板をさがしてみてください。

裏摩周展望台

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摩周湖の3つある展望台の1つで、神の子池から約10kmほどの場所に位置しています。摩周湖の湖面との距離が比較的近く、より間近で景色を楽しめるのが魅力です。
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3つの展望台のうち、裏摩周展望台は実は穴場スポット。比較的混雑がなく、静かに湖を眺めることができるのです。

清里焼酎醸造所

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清里焼酎醸造所は、神の子池から車で35分ほどの場所に位置。一面に広がるじゃがいも畑の中に、まるでお城のような外観の醸造所が立っています。じゃがいもと斜里川の水を使った、じゃがいも焼酎で有名な場所です。

じゃがいも畑は、例年7月中旬~8月上旬まで花を咲かせるので、撮影スポットとしても人気。また、場内は無料で見学OK。事前に申し込めば職員の説明が受けられるほか、9月~11月の製造時期は、実際の醸造作業を見学できます。

知床アルパで「神の子池スノーシュートリップ」

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ここまで夏の神の子池の楽しみ方を紹介しましたが、ぜひ冬にも訪れてみませんか? 知床アルパでは、まっ白な雪に囲まれた森の中をスノーシューで進み、夏とはまたひと味違う青さを放つ水面の姿を楽しめるプランを実施しています。

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夏との大きな違いは、車で池のすぐ近くまで行けないこと。春から秋までは通行できる林道が冬は通行止めとなるので、雪道を片道2㎞歩かなければ池に到達しません。

『神の子池スノーシュートリップ』は、スノーシューとストックのレンタルが含まれているので、服装とスノーブーツさえ用意すれば気軽に参加できる内容となっています。神の子池の前で真冬のティータイムは、なかなか貴重な体験と思い出になること間違いなし!

冬の神の子池に行ってみたいという方は、知床アルパのガイドを検討してみてくださいね。