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羅臼岳は知床半島の最高峰! その魅力をフカボリ

羅臼岳は知床半島の最高峰! その魅力をフカボリ

2021.09.18
投稿者:スタッフ

知床半島にそびえる最高峰・羅臼岳は、日本を代表する山のひとつです。かつては、アイヌ語で「チャチャヌプリ」や「良牛岳」と言われていました。世界自然遺産に登録された知床に位置し、知床国立公園に指定されていることから豊かな自然を楽しめます。

この記事では、羅臼岳の魅力や登山ルート、注意点まで詳しく解説。登山後に行きたい温泉もご紹介しますので、ぜひ羅臼岳観光の参考にしてみましょう。

羅臼岳ってどんな山?

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羅臼岳は、世界自然遺産に登録されている知床にある山です。半島にそびえる知床連峰の主峰で、最高峰として標高1,661mを誇っています

別名があり、裾野がきれいに広がる姿を富士山になぞらえて、「知床富士」と呼ばれ、下から見る羅臼岳も見逃せません。

羅臼岳登山のシーズンは、例年7月上旬から9月中旬までです。緯度の高さゆえに夏山の時期が短く、9月中旬には雪が降ることもあります。雪に覆われる時期が長いものの、雪があるからこそできる雪渓歩きを楽しめるのは嬉しいポイントです。

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雪のある道を踏みしめながらも、山々や植物など緑を見られるのは、羅臼岳ならではと言えます。

羅臼岳登山の魅力

羅臼岳は、自然に恵まれた知床にあり、山からたくさんの緑や景色を楽しめる人気の山です。登っていくと、山道から山頂までさまざまな魅力に出会えるでしょう。ここでは、羅臼岳登山の魅力を3つご紹介します。

「花の百名山」にも数えられるほどの高山植物の数々

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「花の百名山」とは、日本中の山を歩いた田中澄江氏が1980年発表した随筆集で、紹介されている100の山の総称でもあります。1995年には「新・花の百名山」が発表され、新しく山が選定されました。

羅臼岳は、「花の百名山」「新・花の百名山」の両方に選ばれた山であり、花や植物の宝庫として知られています。多種多様な高山植物が生息し、珍しい植物を探しながら歩くのは醍醐味のひとつです。

羅臼岳で見つけられる高山植物

  • シレトコスミレ
  • エゾコザクラ
  • イワギキョウ
  • エゾノツガザクラ
  • チシマクモグサ
  • チングルマ

知床半島の大パノラマ

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標高1,660mの羅臼岳山頂からは、知床半島を中心とした大パノラマを一望できます。知床連峰が連なる姿が北東に見え、オホーツク海や太平洋も眺められる絶好のロケーションです。オホーツク海と太平洋はひとつにつながった海ですが、気候の違いから景色が異なるのも山頂から見て取れます。

天気が良い日には、北方領土が見えるほど視界が良好です。山頂から景色を満喫するなら、晴れ渡った日を狙って登山計画を立てると良いでしょう。

秋には一面の紅葉を見られる

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登山シーズンの後半・9月頃から、羅臼岳を包む照葉樹の原生林が紅く色付きます。紅葉を望みながらの山行は、この時期の羅臼岳だからこそできる貴重な体験です。

9月に入ると日が短くなったり、雪が降ったりする場合があるので、スケジュールに余裕を持って紅葉登山に望みましょう。

主要な登山ルート

羅臼岳登山には、主に2つのルートがあります。コースによって見どころや気を付けたいポイントがあるので、しっかり確認して自分の体力やレベルに合ったルートを選びましょう。

岩尾別コース

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岩尾別コースは、斜里町の岩尾別温泉からスタートするルートです。登山道が整備されていることや携帯トイレブースがあることから、体力さえあれば初心者でも挑戦しやすいコースと言えます。

スタート地点から最初の水場まで緩やかな坂道が続き、さらに進んだ極楽平という地点に到達すると、羅臼岳山頂を遠くに見ることができます。急坂を進むと徐々に景色が開けていき、羅臼平に出ると、山頂まで約1時間です。山頂までの岩登りをクリアすると、眼下には雄大な景色が広がります。

羅臼温泉コース

羅臼側から山頂を目指すのが羅臼温泉コースです。標高差が大きく歩行距離が長いこと、難所があることから、中級者以上の難易度となっています。岩尾別コースよりも登山客が少ないため、秘境感を味わいたい方にぴったりです。

登山口から沢沿いの道を歩いていくと、羅臼の街並みが見える里見台に到着します。しばらく緩やかな道を進んだ後に沢を渡り、傾斜を登りきると、羅臼平で岩尾別コースと合流するので、最後に頂上までの岩登りを乗り越えてゴールです。

羅臼温泉コースの登山口までのアクセスは、JR釧路駅からバスを使いましょう。中標津バスターミナル経由で羅臼に到着し、約2.5km歩くと登山口が見えてきます。

羅臼岳登山の注意点

羅臼岳には、たくさんの野生生物が生息していたり、夏にも雪渓があったりするため、登山には注意したいポイントがいくつかあります。道中の設備なども把握しておくと、より安全です。ここでは、特に気を付けたい注意点を5つ解説します。

ヒグマ対策が必須

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羅臼岳は、ヒグマの出没情報が多く出ている場所です。目の前に姿を見せる可能性もゼロではないので、必ず対策を行いましょう。

知床のヒグマは人に馴れた個体が多いため、鈴やラジオだけでは対処できません。実際に鈴やラジオを携帯していてもヒグマと遭遇するため、熊スプレーを携帯することをおすすめします。熊スプレーは購入すると1万円前後かかりますが、知床羅臼ビジターセンター知床自然センターなどで1日1,000円ほどでレンタルできます。

万が一、ヒグマに出くわしてしまったとき、慌てて走ったり、「死んだふり」をしたりするのはNGです。慌てず、騒がず、走らず、ゆっくり後ずさりするのが有効と言われています。いざというときに対応できるように、事前に対策を勉強しておくと安心です。

ちなみに知床アルパのガイドと羅臼岳登山をする場合は、鈴を持たないようにお願いしています。ガイドは常に周囲の状況に最新の注意を払っているため、物音を聞き分ける妨げになるからです。熊と遭遇した際も、慌てずガイドの指示に従ってください。

冬用装備を整える

羅臼岳は夏が短く、雪渓歩きをできるシーズンがあると説明したように、残雪や積雪への対策が必要です。状況によっては、通常のシューズでは滑るおそれがあるので、事前に必要か確認してアイゼンを用意しましょう。

登山の基本でもありますが、体温調節のための中間着やアウターなども欠かせません。気温と雪に対応できるように、冬用装備を整えましょう。

道中に山小屋やトイレはない

羅臼岳山頂までの道のりには、山小屋やトイレはありません。山小屋での宿泊はできないので、基本的には日帰り登山です。

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また、トイレがないので、携帯トイレを必ず持参しましょう。岩尾別コースであれば、携帯トイレブースで用を足すことができます。

フードロッカーを使用

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食料はフードロッカーに入れるように心がけましょう。これは、食べ物の臭いでヒグマが寄ってくる可能性があるからです。食後の生ゴミもフードロッカーを使用し、下山時に持ち帰ります。フードロッカーは、羅臼平や三ッ峰、二ッ池、第一火口の野営地にあります。

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また、連山縦走コースなどで羅臼岳に宿泊するという場合は、テント泊となります。野営地での宿泊は、フードロッカーに食料を入れるのが基本です。

山の水はそのまま飲まない

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山の水は、一見きれいに見えて、疲れた身体がつい欲してしまうでしょう。しかし、そのまま飲むことには注意が必要です。

羅臼岳にはキタキツネが生息しており、山の水を飲むとエキノコックスに感染するおそれがあるからです。水分補給に必要な水は基本的には持参し、山の水に頼らないのが一番です。浄水器を用意するのも良いでしょう。

温泉をセットで楽しもう

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羅臼岳周辺には、温泉がいくつか湧いています。登山に向けて温泉宿に前泊したり、日帰り登山後に疲れを癒したりするのがおすすめ。

岩尾別コースの登山口には、「ホテル地の崖」や素泊まりできる「木下小屋」があります。露天風呂があるので、知床の自然を感じながら入浴できるのが魅力です。「木下小屋」は食事や寝具の用意はないので、前泊する際はそれらを準備しましょう。

羅臼温泉コース付近には、「熊の湯温泉」があります。日帰り温泉施設で、料金は無料です。羅臼岳を下山した後に、野趣あふれる露天風呂に浸かってみてください。

知床アルパのガイドと一緒に羅臼岳に登ろう

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知床アルパの羅臼岳登山プランでは、岩尾別コースで山頂までガイドいたします。トレッキングポールや透湿防水ウエア、ヘルメット、アイゼンなどはレンタル可能です。
羅臼岳の高山植物や山頂からの景色、紅葉などを見てみたい方は、ぜひ知床アルパの登山プランにご参加ください。