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羅臼岳の登山道閉鎖について
8月14日に羅臼岳登山道で発生したヒグマによる事故を受け、現在も以下の登山道が閉鎖されています。
- 羅臼岳岩尾別コース(斜里町)
- 羅臼岳羅臼温泉コース(羅臼町)
- 硫黄山登山コース(斜里町)
- 羅臼湖コース(羅臼町)
管理者である環境省、林野庁、北海道、斜里町、羅臼町より、2026年3月までの入山を規制するという発表がありました。9月12日現在、岩尾別登山口に通じる町道にはゲートが設置されています。
知床におけるヒグマ管理計画と今後の見通し
知床国立公園には、「知床半島ヒグマ管理計画」が存在します。これは、以下の知床特有の状況をふまえた上で、ヒグマの管理方法を示す指針です。
- 知床は世界有数のヒグマ高密度地帯であり、推定500頭が生息していること。
- ヒトに慣れた個体が多く、近年ではヒグマの目撃件数が年間1,000件を超え、2025年もすでに600件に達していること。
- 「ヒグマとヒトの異常な接近」「ヒグマに対するエサやり行為」といった事例が毎年のように報告されていること。
今回の事故を受け、この「知床半島ヒグマ管理計画」をどのように見直すべきか、本格的な議論がなされない限り、安易に登山道が開放されるとは考えにくいです。そしてこの議論が今年度中に終わる確証もありません。
知床アルパでは、管理者からの発表を受け、今シーズンは羅臼岳など知床山域での登山ガイド活動を中止させていただいております。
なお、斜里岳や雌阿寒岳などでのガイドは実施しておりますので、こちらにつきましてはお問合せいただければと思います。
今後の羅臼岳など知床山域でのガイド活動につきましては、関係機関からの発表に注視し、動きがあれば改めてご案内いたします。
知床アルパ株式会社 代表取締役 笠井 文考
- 日本山岳ガイド協会認定登山ガイドステージⅡ、スキーガイドステージⅠ
- 知床地区遭難対策協議会隊員
- 斜里山岳会事務局