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西別岳 遅咲きの春を彩る花々

5月下旬の登山で見つける可憐な生命
北海道の初夏、残雪と新緑が織りなすコントラストが美しい季節。5月下旬の西別岳は、まだ肌寒さも残るものの、春の訪れを告げる可憐な高山植物たちが、訪れる登山者を温かく迎えてくれます。厳しい冬を越え、短い夏に向けて一斉に咲き誇る花々は、まさに生命の息吹そのもの。ここでは、この時期の西別岳で見つけられるであろう、代表的な花々をご紹介します。
雪解けと共に顔を出す「ユキワリコザクラ」
西別岳の登山道でまず目を引くのが、ユキワリコザクラでしょう。その名の通り、まだ雪が残る場所のそばで、ひっそりと顔を出す姿は、まさに春の使者。淡いピンク色や白色の小さな花は、厳しい環境に耐え抜いた強さと、可憐さを兼ね備えています。群生している場所に出会えれば、その美しさに思わず立ち止まってしまうはずです。
登山道を彩る鮮やかな「エゾツツジ」
少し標高を上げると、新緑の中に鮮やかなピンクや赤紫の花を咲かせるエゾツツジが見られました。北海道の山々に広く分布するツツジの仲間で、その存在感は抜群です。登山道の脇を彩るエゾツツジは、登山者の疲れた心を癒し、進むべき道を明るく照らしてくれていました。
静かに咲き誇る多様な「スミレ」
足元に目をやれば、紫のスミレがひっそりと咲いていました。北海道には多くの種類のスミレが自生しており、西別岳も1種類だけではないそうで、その多様な姿を楽しむことができるでしょう。可憐ながらも、その力強い生命力に感嘆させられます。
雪解に佇む「ミツバオウレン」
湿り気のある場所や、雪解け水の流れる沢沿いでは、白い小さな花を咲かせるミツバオウレンを見つけました。葉が三つに分かれているのが特徴で、白い花弁と、中心部の黄色い雄しべのコントラストが目を引きます。清楚で繊細な姿は、厳しい自然の中でたくましく生きる植物の姿を象徴しているかのようです。
鮮やかな宝石「メアカンキンバイ」
鮮やかな黄色の花を咲かせるメアカンキンバイにも出会えました。北海道に生えるキンバイの仲間で、その鮮やかな黄色は、曇りがちな天候でもパッと周囲を明るくしてくれます。その名の通り、雌阿寒岳周辺に多く見られる花ですが、西別岳周辺の環境でも見つけることができます。
高山帯の小さな彩り「ミネズオウ」
そして、西別岳の頂上付近、風の強い厳しい環境で出会えるのが、ミネズオウ。地面を這うように広がる低木で、濃いピンク色の小さな花を咲かせます。高山帯の過酷な環境で生き抜く健気な姿に心を打たれます。
5月下旬の西別岳登山は、残雪と新緑、そして可憐な花々が織りなす、まさに感動の体験となるでしょう。ぜひ、それぞれの花の名前を覚え、その美しさを間近で感じてみてください。きっと、西別岳の新たな魅力を発見できるはずです。