森づくりの道

知床にも開拓の歴史があった。

 

一般的な知床観光ではその詳細を知ることはできず、開拓の歴史は木立の中でひっそりと、そして忘れ去られることを望むように置かれていた。

 

知床開拓は世界自然遺産にとって必要な要素ではなく、文字と白黒写真だけで少しだけ触れるもの。

 

このトレイルができるまで、そう思っていた。

 

トレイルの名は「森づくりの道」。

北海道斜里町が進める、知床半島開拓跡地に森林を再生する運動「しれとこ100平方メートル運動」地内を通る道。

 

この森づくりの道、実際には明るい雰囲気ではない。

むしろチョット暗めでノスタルジック。

知床五湖やフレぺの滝のように多くのビジターが利用するトレイルではないからかもしれない。

 

周囲の森も人の手が加わっている植林地や二次林。

息を飲むような、太古からの知床の大自然はそこにはない。

 

歩いていると朽ちた当時の道具をあちこちで発見することができる。

写真はリヤカーだろうか。

ヒグマと出会った時、エゾシカを見る時、木々の向こうにようやく見つけたクマゲラを観察する時とはまた違う気持ちと呼吸で道具と対峙する。

 

シャッターを押すことをためらう。なぜだろう…。

 

旧開拓小屋の台所。

 

1970年代生まれであれば「開拓の歴史」というよりは「リアルな自分の幼少時代」。

 

確かにここには高度成長期以降も人が住んでいた。

 

住宅の基礎はそこにある自然石。

それだけを見ると古さを感じる。

 

でも住宅の傍に点在する生活の基盤となる物はそれほど古くはない「昭和」。

40歳代以上だと思い出せるレベルの昭和といった方が伝わるかもしれない。

 

トレイルの折り返し地点は、知床連山を見通せる共同放牧地跡。 

開拓者も牛や馬と共にこの風景を見たのだろうか。

 

知床では珍しい「人の雰囲気を感じられる道」。

開拓者たちが利用していた道を歩き、昭和の営みを静かに感じる。

そして大自然ではないけれど、人の手によって知床にかつてあった森林を取り戻す再生の力を感じることができる知床の別の一面を知れる道。

 

この知床の歴史を知る約5㎞の森づくりの道。「昭和」の知床を知りたい方は是非ご連絡くださいね。

ガイドとデザインするプランでプランニングいたします。

 

トレイルについては下記を参照ください。

ご自身でも歩くことができますが、この地は世界有数のヒグマ高密度地帯。

訪れる方が少ないのでガイドと歩いた方が良いかもしれません。

https://center.shiretoko.or.jp/guide/mori/haruaki/

 

知床100㎡についてはこちら。森づくりの道の背景を知ることができます。

http://100m2.shiretoko.or.jp/

 

より深く知床の開拓を知りたい方は下記など参照ください。ぐっと昭和の知床が身近になるかもしれません。

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/660